2013年9月3日火曜日

【職業訓練という事】


 

皆さんの目標は何ですか?
 
アスタ荏田で働く皆さんは、大きく分けてアスタカフェという喫茶で接客やランチの下ごしらえをしたりする仕事、パン工房でお菓子を製造する仕事、作ったお菓子やパンなどを販売する仕事、といった事をやっていて、これら全てが「職業訓練」として指導員のもとで働くことになっています。そして、ここで働いて何を得ようとするかが、皆さんの大きな目標となります。ある人は「工賃がいっぱい欲しい。買いたいものがある」であり、ある人は「将来は一人暮らしをしたい」であったりします。目標と言うのは人により違って良いのです。「今は何にも目標はないけれど、何となく良さそうだから来た。」と言う人もいます。その人にいろんな目標を持ってもらうことも、私たちの支援の一つです。とは言え、私たちが良いと思った目標でもご本人にとってどうなのかが一番大切なので、いくらこうしよう、と勧めても思うようにはいきません。ただ、一番困るのが「今で大丈夫!」と決めてしまう事なんです。つまり今の生活が永遠に続くと決めてしまっているんですね。いくら言葉で「将来」を説いても、「想像する」という事が苦手であったりすることで、いつまでも親は自分の側にいる。いつまでも自分の生活は変わらないと決めてかかってしまうと、いざ変化が来た時には何も出来ずにおろおろしてしまうばかり、という事になりかねません。なので、このような人には多少厳しい事を言うことになります。世間一般で言う「いつまでもあると思うな親と金」を福祉の世界でも、というよりも福祉の世界だからこそ早くから自覚してもらうことが大切だと思うのです。お金はもちろんですが、ご本人が周りの支えを得て生活していくためには、精神的な自立の方が大切ではないかと思います。これは私たちのみで出来る事ではなく、ご家族とアスタを含む全ての支援者が共に行って初めて伝わるもので、なが-い時間がかかります。

この事業を始めてみて、単にその人の「仕事の技術向上」だけでは本当の職業訓練とは言えないのだなと改めて実感しています。
 
 

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